NPO法人への監督について

2019.01.25(金) 更新
1 NPO法人等に対する監督等の概要について

 

省略語  法:特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)

 

NPO法人に対する監督等

(1) 報告及び検査

イ.  所轄庁は、NPO法人が法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は定款(以下「法令等」といいます。)に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときは、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせることができます。また必要に応じて、職員が、当該法人の事務所その他施設に立ち入り、その業務、財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査することができます(法41_1)。

 

ロ.  立入検査の手続に関する義務は、次のように定められています。
1. 所轄庁は、上記イの検査をさせる場合においては、当該検査をする職員に、法令等に違反する疑いがあると認められる理由を記載した書面を、あらかじめ、当該NPO法人の役員等に提示することとされています(法41_2)。
2. 当該検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示することとされており、当該検査の権限は犯罪捜査のために認められたものではありません(法41_3.4)。

 

(2) 改善命令

   所轄庁は、NPO法人が設立認証の要件を欠くに至ったと認めるとき、その他法令等に違反し、又はその運営が著しく適性を欠くと認めるときは、当該法人に対し、期限を定めて、その改善のために必要な措置を取るべきことを命ずることができます(法42)。

 

(3) 設立の認証の取消

イ.  所轄庁は、NPO法人が上記⑵の改善命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないとき、またNPO法人が3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないときは、当該法人の設立の認証を取り消すことができます(法43_1)。

 

ロ.  所轄庁は、NPO法人が法令に違反した場合、上記⑵の改善命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ、他の方法により監督の目的を達することができないときは、改善命令を経ないでも、当該法人の認証を取り消すことができます(法43_2)。

 

ハ.  設立認証の取消しに係る聴聞手続公開の努力義務等について、次のように定められています(法43_3.4)。
1. 認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該NPO法人から請求があったときは、公開により行うよう努めることとされています。
2. 所轄庁は、1.の請求があった場合、聴聞の期日における審理を公開により行わないとき、当該NPO法人に対し、公開により行わない理由を記載した書面を交付しなければならないものとされています。

 

(4) 罰則

   法の規定に違反した場合には、以下のイ~ハの罰則が設けられています。

 

イ. 50万円以下の罰金
   次の1.及び2.に該当する者は、50万円以下の罰金に処せられます。
1. 正当な理由がないのに、上記⑵改善命令の規定に違反してその命令に係る措置を採らなかった者(法78)
2. 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他従業者が、その法人又は人の業務に関して、上記1.の違反行為をした場合に、行為者、またその法人等(法79)

 

ロ. 20万円以下の過料
   以下の1.~10.のいずれかに該当する場合においては、NPO法人の理事、監事又は清算人は、20万円以下の過料に処せられます(法80)。
1. 組合等登記令に違反して、登記を怠ったとき(法80一)
2. 法人の成立時の財産目録の作成、備え置きの規定(法14)に違反して、財産目録を備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき(法80二)
3. 所轄庁への役員変更等の届出(法23_1)、定款変更の届出(法25)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき(法80三)
4. 事業報告書等(P153参照)、役員名簿及び定款等(定款並びにその認証及び登記に関する書類の写し)の備え置きの規定(法28_1.2)に違反して、これを備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき(法80四)
5. 定款の変更に係る登記事項証明書の届出(法25_7)、事業報告書等の提出(法29)の規定に違反して、これらの書類の提出を怠ったとき(法80五)
6. 理事又は清算人が破産手続き開始の申立て及び公告の規定(法31の3_2、法31の12_1)の規定に違反して、破産手続き開始の申し立てをしなかったとき(法80六)
7. 清算人が、法人の債権者に対する債権申出の催告等(法31の10_1)及び破産手続開始の申立てに関する公告(法31の12_1)の規定に違反して、公告をせず、又は不正の公告をしたとき(法80七)
8. NPO法人が所轄庁から合併の認証を受けたときの貸借対照表及び財産目録の作成、備え置きの規定(法35_1)に違反して、書類の作成をせず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき(法80八)
9. NPO法人が所轄庁から合併の認証を受けたときの債権者に対する公告・催告、債権者の異議に対する弁済等の規定(法35_2、36_2)に違反したとき(法80九)
10.上記⑴の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(法80十)

 

ハ. 10万円以下の過料
   NPO法人以外の者が、その名称中に、「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いた場合には、10万円以下の過料に処せられます(法81)。

※滋賀県では、NPO法人に対して、報告徴収・立入検査、改善命令及び設立の認証の取消処分を適用する場合における必要な要件、手続き等について、次の要綱等を定めています。

 

滋賀県特定非営利活動促進法に基づく処分に関する事務処理要綱【PDF】
事業報告書等を提出しない特定非営利活動法人への督促等に関する取扱要領【PDF】

 

 

認証後未登記団体の認証取消

   所轄庁は、設立の認証を受けた者が法第13 条第1項に規定にする設立の登記をしないときは、当該者の設立の認証を取り消すことができます(法13_3)。

※滋賀県では、設立の認証を受けたにもかかわらず、設立の登記をしない団体の設立の認証取消しに関する必要な手続き等について、次の要綱等を定めています。

 

認証後未登記団体の認証取消しに関する事務処理要綱【PDF】