2017.03.06(月)
活動情報
クローバードリームライブ2017~生きてきた想いを伝えたいんだ~
認定特定非営利活動法人 四つ葉のクローバー )

クローバードリームライブは誰かが乗り越えてきた生きた経験、向き合ってきたからこそ伝えられる想いを、メッセージとして、音楽の力を借りてつなぐ場としてスタートし今回で3回目となります。そして同じ地域に住んでいる皆さんが社会的養護を必要としている子どもたちの現状を知ること、四つ葉のクローバーの活動を知ることで、もっと身近に感じ、自分ごとにして欲しいと考えています。

 

今年は四つ葉の若者2名が今の想いを話しました。

 

一人目は四つ葉を卒業した女の子です。

幼いころから虐待されてきた、自分の周りの大人たちはただ知らん顔をするばかりで誰にも助けを求められなかった。「大人って冷たい」とただ恨むことしかできなかった。

19歳のときストレスが溜まり、親を殺そうとしいた、親も自分を殺そうとした。家を燃やそうと思ったが、立ち止まった。親の目を盗んで児童相談所に相談、シェルターで保護されじっくりと自分と向き合ってくれる大人と出会えた。四つ葉を卒業し一人暮らしをしている今も家を思い出して発作的に自殺しそうになる。

そんな体験から彼女は自分だけいいのではなく、地域全体で子どもを育ててほしいと思うと震える声で言葉を一生懸命繋ぎました。

 

 

二人目は四つ葉在住の男の子。

小学生の頃、生活が苦しくて施設に入るように児童相談所のケースワーカーさんがすすめてくれた。
僕が施設に入ることを親に伝えたら「ふざけるな、生まなきゃ良かった」と言われた。
声をあげて泣いた。悲しかった。今度は包丁むけて僕に向かってきた。
こわかった。ずーと記憶に残っていてフラッシュバックする。
大人になっても変わらず、悲しみ、憎しみ、それが憐みに変わり、許せるものなら殺してあげたほうが親のためだと思うときがある。
施設に入ったら暴力、いじめが当たり前で上の人から殴られ蹴られた。でも悪い環境と思わなかった。皆、自分と同じものを抱えているんやとわかった。逆に安心した。
いかなるひどい環境でも自分を強くする手段となる。そして僕は強くなった。
同時に弱さを見せるのが怖い自分がいる。あんなに強くなったはずなのに本当は臆病な自分。
でもまわりの大人が評価してくれた。一人にさせてくれない。施設の子どもたちがなついてくれた。そこで僕は少し幸せやと思えた。

僕はもっと強くなって、誰にも負けない位、幸せになりたい。
今、希望も見えてきている。夢ができた。どんなに辛いことがあっても希望に向かって走っていける気がする。
四つ葉のクローバー、養護施設の先輩、先生方、僕を支えてくれた人たちにいつか自分の弱さを見せられるよう、信頼されるよう頑張っていきたい。
これからも希望に向かってゆっくりと歩き続けることを自分に誓います。

そうゆっくり力強く語る彼の言葉にたくさんの人が涙しました。

 

ライブでは支援者のめぐみさんとYOKKOさんが透き通るような歌声で四つ葉のテーマソング「四つ葉のクローバー」を熱唱していただきました。

 

第二部ではガーナと日本のハーフで養護施設出身の3人兄弟のアーティスト「YANO BROTHERS」のライブです。

 

彼らは語ります。

20歳のころガーナのレストランで友人とランチを食べていた時、

ストリートチルドレンに何度も「お金ちょーだい」と頼まれたけれど顔も見ず無視をしていたという次男デイビット。
あまりのしつこさに「あげないから向こうに行きな」と言おうとしてその子どもと目が合った瞬間、幼いころの自分にフラッシュバックした。

誰も助けてくれなかった子どものころを思い出し、あの頃の僕がメッセージを伝えにきたのかなと思った。

心にイナズマがバチバチきた。

今、僕がこの子どもに関係ないフリをしたらあの頃見て見ぬフリをした人たちと一緒になると思った。あの時のあの思いだけは自分の人生で裏切ってはダメだと思った。
この子どもと出会ったのは運命だと思った。だから僕は子どもを守ることを人生をかけてやっていこうと10年前に決意した。

それからガーナの子どもたちが教育を受けられるよう幼稚園と中学校を完成させた。

今はまだ人生が見えない人がいるかもしれない。

苦しみを背負いきれない自分がいるかもしれない。

今は辛いかもしれないけれど、まだ出会えてないかもしれないけれどその経験そのものが誰かの力になる日がきっとくる。流した涙はいつか誰かの心に水をやるめぐみの雨になる。

本当は誰かの力になる力はすべての人にある。

でもそれに気づける人は苦しみを知っている人間。多くのお金を稼ぐだけが人生ではないと思う。

僕の人生のスーパースターはあの時僕を支えてくれた施設の先生

。僕はガーナでお金をねだる子どもと出会い、支えてくれたその人たちのことを気づけた。はじめて感謝した。

 

自信の想いを歌にのせて歌う彼ら、言葉の一つ一つに重みがあり、また温かくもありました。

そんな温かみが会場に満ち、クローバードリームライブは今年も大盛況となりました。

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この投稿の発信者
NPO法人 認定特定非営利活動法人 四つ葉のクローバー